気管支炎

気管支炎(細気管支炎)って何?

気管支は、のどから肺に至る息の通り道です。気管支にウイルスや細菌が感染することで気管支炎が起こります。のどや鼻にウイルスが感染した場合は鼻炎や咽頭炎と呼びますが、気管支に感染した場合は気管支炎と呼ばれます。
より細い気管支に炎症を起こした場合に「細気管支炎」と呼び、呼吸障害が重症化するケースがあり注意が必要です。

気管支炎(細気管支炎)の原因の多くはウイルス感染症で、RSウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどが原因となります。細菌感染症では、マイコプラズマや百日咳などが気管支炎を起こします。

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症状

気管支炎では、発熱・咳・鼻水・息を吐くときの喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)などが主な症状となります。熱は上がったり下がったり発熱を繰り返す場合があります。39度以上の高熱がみられることもあります。

気管支炎は、咳の原因として多い病気です。特に3週間以内の急性咳嗽(がいそう)の原因としてよく見られます。
気管支炎になった後の気管支は刺激に敏感になっているため、会話などのちょっとした刺激で咳が誘発されることがあります。このような咳の多くは、ゆっくりと自然に治っていきます。

注意しなければいけないのが、RSウイルス感染症やヒトメタニューモウイルス感染症ではゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴が出たり、呼吸障害が悪化して人工呼吸器が必要になるほど重篤になるケースがまれにみられます。
発症してから2〜3日目にこのような重症化が起きてくることが多く、しばらくは要注意が必要です。

検査・診断

診察気管支炎の診断は、主に咳や痰などの症状から判断します。胸部レントゲンやCT検査ではあまり大きな異常がありません。(肺炎まで至ると異常がみられます)
子供では、RSウイルスやヒトメタニューモウイルスなどの迅速検査がありますが、いずれも治療に直結しない検査項目ですので、入院を前提としている場合でない限りあまり行う必要はありません。(当院では行っておりません)

百日咳では、血液検査を行い抗体価を調べることで診断することがあります。

治療

気管支炎の多くがウイルス感染症ですので、解熱剤や咳止め薬などで様子をみます。 乳幼児などで喘鳴がある場合は、気管支拡張薬の貼り薬を使用したり、吸入を行ったりします。

細菌による気管支炎の場合は、抗生物質を投与することで、症状が改善するまでの期間を短くすることができます。マイコプラズマによる気管支炎では、頑固な咳が特徴で、マクロライド系の抗生物質を投与します。百日咳では、発作性の咳(急に咳が出始めて、止まらない)やえづきを伴う咳(オエっとなってしまう咳)が特徴です。

息を吸う時に喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)が強く聞こえ、胸が凹んだり、ぐったりしているようなケースでは、入院治療が必要となってきます。

陥没呼吸とは、息を吸う時にのどの下の部分や鎖骨の上の部分が凹むようになることです。ひどい場合は、肋骨と肋骨の間の部分も凹むようになります。このような兆候が見られた場合は、呼吸障害がひどい場合が多く、治療や入院が必要となります。 陥没呼吸がどのようなものか知るには、こちらの動画が参考になります。

動画を見る

予防

 予防気管支炎にならないためには、日頃の感染予防が重要です。マスクの着用や手洗い・うがいなどを行いましょう。

またRSウイルスの予防薬として、シナジスがあります。シナジスはRSウイルスに対する特異的抗体で、免疫力をつけウイルスの増殖を防ぐ効果があります。 RSウイルスの流行する冬の時期に月一回の筋肉内注射を継続して行います。

適応条件は以下の通りです。

  • 在胎期間(出産時の妊娠週数)が28週以下で、12か月齢以下の乳幼児
  • 在胎期間が29週〜35週で、6か月齢以下の乳児
  • 過去6か月以内に気管支肺異形成症の治療を受けたことがある、24か月齢以下の乳幼児
  • 血行動態に異常のある先天性心疾患の24か月以下の乳幼児
  • 免疫不全のある24か月以下の乳幼児
  • ダウン症候群で24か月以下の乳幼児

ちなみに、百日咳は4週混合ワクチンで予防接種していると思います。予防接種してから3〜5年経つと効果が弱ってくるため、小学生以降に百日咳にかかってしまうと言われています。

登校・登園に関して

登校・登園に関してほとんどの気管支炎では解熱し、元気がよければ登校・登園しても問題ありません。
ただし百日咳と診断された場合は、特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗生物質による治療が終了するまで、出席停止とされています。




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