気胸(ききょう)

気胸ってどんな病気?

胸をおさえる女性気胸は肺に穴があくことによって、肺がしぼんでしまう病気です。肺は風船みたいな臓器なので、穴があくと簡単にしぼんでしまいます。典型的には、若年の細身体型の男性が突然の胸痛で発症します。痛みは深呼吸で強くなり、呼吸困難や咳があることもあります。緊張性気胸(きんちょうせいききょう)と言って、進行すると呼吸困難・血圧低下をきたし、生死に関わる病気となることもまれにあります。

気胸を疑う症状

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気胸の原因は?

気胸の原因は?気胸は、大きく分けて2種類あります。

  • 自然気胸:
    若年の細身体型の男性が発症すること多い気胸です。多くは、肺の上部にある肺のう胞という袋みたいものが破れることで発症します。
  • 続発性気胸:
    肺にもともと肺気腫や間質性肺炎などの病気があり、肺に穴があきやすい状態となっていることで発症します。なかなか治りにくく、治療に難渋することがしばしばあります。

そのほかにまれな気胸として、月経随伴性気胸というものがあります。これは子宮の組織が横隔膜などにできることで、月経の周期に合わせて出血と気胸を起こすものです。女性が月経の周期に合わせて気胸を繰り返した場合は、この病気を疑い検査を行います。

検査は?

気胸は、胸部レントゲンで診断することができます。レントゲンで、しぼんだ肺を確認することで気胸を診断します。息を吐いた時にレントゲンを撮影することにより気胸がよりわかりやすくなるため、吸った時と吐いた時の両方のレントゲンを撮影することがあります。
気胸がわかりにくい場合や、のう胞や他の肺疾患を疑う場合は胸部CT検査を追加検査することがあります。肺のう胞は、肺にできた小さな袋みたいなもので、これが破れることで肺に穴があいて気胸になります。

おもて内科・呼吸器内科クリニックでは、受診日当日にレントゲン検査・CT検査を受けることができます。

気胸でみられる肺のう胞

治療は?

気胸は重症度によって治療方針を決めます。重症度は以下の図のような肺のしぼみ具合で決まります。 気胸が軽度の場合、自宅安静で経過を見ます。入浴やシャワーなどは行なっていただいて問題ありません。中等症以上の場合や軽症でも初発の場合などは、入院して経過観察となることもあります。 気胸が中等度〜重度の場合、ドレナージを行います。ドレナージは、人差し指ぐらいの太さの管を胸に挿入してたまった空気を外に排出します。通常は入院して治療を行います。これで良くならない場合は、手術によって穴を部分を切除し結んでしまいます。

気胸は繰り返す病気です。自然気胸の場合は、1回目の気胸が起きた場合に2回目の気胸を起こす確率が約30%、2回目の気胸が起きた場合に3回目の気胸が起こる確率が約80%と言われています。そのため2回の気胸を起こした方には、手術による治療をお勧めしています。また続発性気胸の場合は、1回目の気胸が起きた場合、繰り返す確率は70%程度と言われています。

気胸の重症度

よくある質問

気胸が治った後は、飛行機に乗ったり登山に行って大丈夫でしょうか?

気胸になった直後は、いずれも控えた方が良いでしょう。そのくらい控えた方が良いかは、あまり明確な基準はありませんが、海外のガイドラインなどでは飛行機への搭乗は3週間までは控えた方が良いとしています。登山もハイキング程度であれば問題ありませんが、高い山に登る場合は注意が必要で、異常を感じた場合には無理せずすぐに下山するようにしましょう。
一方で、スキューバダイビングは非常に危険であるため、行なってはいけません。潜水中に気胸になってしまった場合、浮上に伴い気胸が悪化し、空気が血液内に入ってしまうこともあります。命に関わることも十分あるので、非常に危険であると覚えておいてください。

運動はしても大丈夫でしょうか?

気胸が治っていれば、運動しても問題ありません。また過去に気胸を起こしたことを理由に運動を控える必要はありません。運動することで気胸が再発しやすくなるとは考えられていません。 肺の虚脱が良くなっていない場合は、運動が病状を悪くする可能性が高いので、運動は控えるべきでしょう。

再発を防ぐためにはどうしたら良いでしょうか?

再発を防ぐためにできることはあまりありません。タバコを吸っている方では、必ず禁煙しましょう。長年喫煙していると、肺気腫(COPD)になり、難治性の気胸を発症するリスクが高まります。タバコを吸っていない方では、特に予防するために行うことはありません。

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