溶連菌感染症

どんな病気?

A群溶連菌による感染症で、冬に多い傾向がありますが、夏にも発症することがあります。

溶連菌は細菌に分類され、ウイルスとは性格が異なります。細菌とウイルスの違いは、細菌の方が症状が強く出る傾向があること、細菌には抗生物質が有効ですがウイルスには効果がないこと、などがあります。

溶連菌感染症

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症状

溶連菌感染症は、高熱とのどの痛みが強い病気です。また、風邪の時にみられる鼻水や咳などの他の症状がないのが特徴です。ヘルパンギーナに比べると、溶連菌感染症ではのどが赤く腫れるのに加え、白い膿が付着します。また首のまわりのリンパ節も腫れてきます。時に舌がイチゴのように赤くブツブツなることがあります。

また熱の経過が長い場合、ぐったりしている場合、目の充血がある場合などは「川崎病」の可能性もあるので、繰り返し病院に受診した方がよいでしょう。(最初の頃はなかなかわかりにくいケースがあるため)

溶連菌感染症

検査

溶連菌に特徴的な所見を認めた場合、迅速検査を行います。
具体的には高熱、咳がない、首のリンパ節の痛み、のどに膿が付着しているケースでは、溶連菌感染症を積極的に疑い検査を行います。迅速検査で陽性の場合、治療を検討します。

抗原検査を行う判断基準として、以下のようなもの(Centor Criteria)を用いています。以下の基準で2点以上あれば、迅速検査を行います。

溶連菌感染症の症状・所見

治療

診察迅速検査で陽性となり溶連菌感染症と診断された場合には、抗生物質を処方します。ペニシリン系の抗生物質を10日間処方します。

抗生物質を処方する意義は、症状をよくするのを早めること意外にもいくつかの意味があります。それは、溶連菌感染症の後に「リウマチ熱」という関節炎や心臓弁膜症を引き起こす病気に進展するのを予防することができるからです。また周囲の人へ感染することを予防することができます。

治療開始後、通常は速やかに熱が下がります。
逆に高熱が続く場合は、他の病気(川崎病)などの可能性があるため、病院に再度相談したほうがよいでしょう。具体的には、薬(抗生物質)を飲み始めて2日経過して熱が続く場合は、病院を受診しましょう。

治療

注意すべき合併症

①リウマチ熱

溶連菌感染症の後に、2週間〜数ヶ月の後に関節炎や心臓病、神経症状などが出てきます。関節炎では、複数の関節に痛みが起こります。心臓病では、弁膜症が起こり、心不全を発症することがあります。

②急性糸球体腎炎

溶連菌感染の後、1〜2ヶ月の間に腎臓の病気(急性糸球体腎炎)を合併することがあります。尿の量が減って、赤い尿が出る場合は、早めに病院を受診して調べてもらったほうがよいでしょう。(抗生物質の内服で、急性糸球体腎炎を予防することができません)

登校・登園に関して

登校・登園に関して溶連菌感染症は、学校保健安全法で「第三種学校伝染病」に指定されています。
「適正な抗菌剤治療開始後 24 時間を経て全身状態が良ければ登校可能」とされています。
病院を受診し、抗生物質を処方され内服を開始して1日経過すれば、登校可能となります。




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