予防接種・ワクチン

当院で行っている予防接種は以下になります。

予防接種・ワクチン当院では大人・子供・乳幼児のワクチン接種を行っております。
子供のワクチン接種は名古屋市在住の方のみに限らせていただいております。

事前にご予約いただく必要があります(院内に在庫があれば当日接種も可能ですが事前に電話でご相談ください)。

予防接種は、火曜日と金曜日の15:45-16:15の時間に限らせていただいております。

予防接種・ワクチン
WEB予約

当院で接種できるワクチン一覧

インフルエンザワクチン

接種費用は1回3,500円 (税込み)で、下記のリンクからweb予約をするか、電話にて事前に予約ください。
当日の受付時間を短縮するために、インフルエンザ予防接種予診票ファイルを、事前にご印刷・記入いただき持参ください。

インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスへの感染を減らすことだけではなく、インフルエンザ後に起こる細菌性肺炎を予防することができます。

インフルエンザワクチン接種のポイント

対象

生後6か月以上のすべての人を対象に接種が推奨されます。
特に6ヶ月〜5才の小児、50才以上、肺疾患・腎疾患・心疾患・血液疾患・肝疾患などの持病をお持ちの方、免疫不全の方、妊婦の方は重度の合併症を起こすリスクが高いため、接種が推奨されています。
またあわせて接種することの多い肺炎球菌ワクチンの効果は、インフルエンザワクチンの接種が前提になっていることが多く、肺炎球菌ワクチンの接種対象者には毎年インフルエンザワクチンの接種を忘れずに行うことが重要です。

効果

インフルエンザワクチンは16-65歳の成人のインフルエンザ発症を59%減少させ、65歳以上の高齢者のインフルエンザ発症を58%減少させることが示されています(2018年のデータ)。ただし、ワクチン株と流行株が一致するかによって効果が変わるため、報告によって効果の程度が変わります。そのほかの効果として、若年の方の休養期間の短縮、高齢者のインフルエンザや肺炎による入院・死亡を減少させる効果が示されています。

インフルエンザワクチンの効果

接種の実際

インフルエンザの流行が始めるまで、10月終わりごろまでに接種をすることが望ましいです。インフルエンザワクチンによる免疫は、約6-8か月間程度の持続期間なので、毎年接種する必要があります。6か月から13歳未満の方は2回接種(2-4週間間隔をあける)します。13歳以上の方は、通常1回の接種で十分ですが、2回接種することもできます。妊婦の方も接種できます。

卵アレルギーのある方でも、全身症状あるいはアナフィラキシーショックを起こしたことがなければ接種が可能です。ワクチンを作る過程でごくわずかに卵由来の成分が残るため、卵アレルギーの副作用がごくまれに起こります。近年は高純度に精製されているのでほとんど問題となりませんが、卵でアナフィラキシーショックを起こしたことがあるなどの重篤な卵アレルギーのある方はワクチン接種はお勧めしません。

費用

接種費用: 1回3,500円 (税込み)
名古屋市在住の65歳以上の方は1回1500円(税込み)です(2022年度は無料)。

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンの特徴

肺炎球菌は、肺炎の最も主要な原因菌であり、血清型により90種類以上に分類されます。肺炎球菌による肺炎のリスクの高い方に対して、肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。

肺炎球菌ワクチンには2種類あります。
  • ニューモバックスNP®️ 4000円(公費)、以降8500円(税込)
    23種類の肺炎球菌をカバーする23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)
  • プレベナー13®︎ 12000円(税込)
    13種類の肺炎球菌をカバーする13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)

ニューモバックスNP

2-64歳で肺炎球菌感染のリスクの高い方、65歳以上の全ての方、に適応があります。 高齢者の方では、定期接種を行うことができるというメリットがあります。 インフルエンザワクチンとの併用で、死亡、肺炎、心疾患、入院が減少することが示されています。ニューモバックスの単独の接種でも、肺炎球菌による菌血症を約40%減少させることが示されています。
そのため、ご高齢の方には、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの両方の接種をお勧めしています。

プレベナー13

65歳以上の高齢の方、2か月から6歳未満の小児、に適応があります。
高齢の方の定期接種を行うことはできません。
プレベナー13の接種により、肺炎球菌による肺炎が約30%、侵襲性の肺炎球菌感染症が約50%減少させることが示されています。
ニューモバックスと比較するとカバーできる肺炎球菌の種類は少ないですが、プレベナーは肺炎球菌のタンパク成分があるため、より高い免疫力が期待でき効果も長い間持続すると言われています。

実際の接種方法

65歳以上の方の肺炎球菌ワクチンの接種方法

65歳以上の方におすすめの肺炎球菌ワクチンの接種方法は以下の通りです。
プレベナーを先に接種すると免疫効果が高まり、その後のニューモバックスを追加接種することでより高い免疫が期待できます。

ニューモバックス接種済みの方

ニューモバックス(定期接種済)

  • プレベナー(ニューモバックスから1年以上空けて任意接種)
  • ニューモバックス(プレベナー接種から1~4年以内、かつ、ニューモバックス価の接種から5年以上空けて任意接種)
ニューモバックス未接種の方
  1. プレベナー(任意接種)→ニューモバックス(プレベナー接種から1~4年以内に定期接種もしくは名古屋市助成で接種)
    もしくは…
  2. ニューモバックス(定期接種)→プレベナー(ニューモバックスから1年以上空けて任意接種)

帯状疱疹ワクチン(シングリックス)

シングリックスの費用は下記の通りです。接種をご希望の方は、Webもしくは電話にてご予約ください。

接種費用
(公費)10,800円/回(2回接種で21,600円) 名古屋市在住50歳以上の方
(自費)21,000円/回(2回接種で42,000円)
  • WEB予約はこちら
  • 電話予約:052-745-4181

帯状疱疹とは?

帯状疱疹は、水ぶくれを伴う赤い発疹が帯状に出てきて、強い痛みがあります。体だけではなく、顔や頭に出ることがあります。原因は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によるもので、加齢に伴い再活性化し帯状疱疹を発症します。また問題となるのが、帯状疱疹が治った後も痛みが続ことがあり、帯状疱疹後神経痛と言われ、約2割の患者さんに発症します。帯状疱疹後神経痛は、「焼けるような痛み」、「電気が走るような」痛みと表現されることがあり、痛みは強く、なかなか治りにくいため患者さんを非常に苦しめる病気です。
帯状疱疹の発症率は、50才から上昇し、その後ピークをむかえます。80才までに実に3人に1人が発症すると言われています。そのため50才までにワクチンなどで予防することが非常に重要となってきます。

名古屋市では、帯状疱疹ワクチンの接種助成を行なっており、半額程度でワクチン接種できます(公費負担)。住民税非課税世帯の方は自己負担免除です。

帯状疱疹による皮疹

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹ワクチンには2種類あります。それぞれ効果、接種回数、費用が異なります。 従来使用されていた生ワクチン(ビケン弱毒生水痘ワクチン)と比較し、2020年より使用できるようになった不活化ワクチンであるシングリックスの方が、有効性や効果の持続期間において優れています。シングリックスは価格が高いですが、名古屋市ではワクチン接種に対して助成をしており、約半額程度で接種を受けることができます。

帯状疱疹ワクチン

シングリックス

シングリックス

接種対象者 50歳以上の方 (過去に帯状疱疹にかかったことがある方も接種可能です)
接種回数 2回(2ヶ月以上間隔をあけて、6ヶ月後までに接種)
接種方法 筋肉内注射
接種費用 (公費)10,800円/回(2回接種で21,600円)、(自費)21,000円/回(2回接種で42,000円)

従来に生ワクチンの接種が困難であった、免疫低下状態患者さん(抗がん剤やステロイドなどで免疫を抑える治療をしている患者さん、HIV感染の患者さんなど)にも接種可能であり、むしろそのような患者さんが帯状疱疹の発症率が高いですので、接種を推奨いたします。

※シングリックス接種ができない方
  • 明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある方
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
  • 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな方
  • 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方

ビケン弱毒生水痘ワクチン

接種回数 1回
接種費用 接種費用

生ワクチンのため、免疫機能に異常のある疾患を有する方、及び免疫抑制をきたす治療を受けている方には接種することが出来ません。(例:抗がん剤治療や移植手術を受けた方など)

住民税非課税世帯の方は自己負担免除

名古屋市では、生活保護世帯や住民税非課税世帯の方は、自己負担金の免除制度もあります。 住民税非課税世帯の方は、証明書をご持参ください。保健センターで「市民税非課税確認書(申請により各区保健センター(分室除く)で無料発行)」を取得し、受付窓口で提出してください。 なお、65歳以上の方は、本市の発行する「介護保険料納入通知書(最新のもので保険料段階が第1から第4段階のものに限る)の写し」をご提出いただいても構いません。

風疹ワクチン

1962(昭和37)年4月2日~1979(昭和54)年4月1日生まれの男性の方は、市区町村から配布される「クーポン券」及び住所のわかる身分証(「免許証」など)を医療機関へお持ちいただくことで、無料で風しん抗体検査が受けられます。抗体検査の結果、抗体価が不十分であれば無料で風しんの予防接種を受けることができます。

特にパートナー(妻)が妊娠する予定のある方、妊娠している方は、積極的に風疹の抗体検査を行い、抗体価が低ければワクチン接種を行ったほうが良いでしょう。

風疹抗体検査とワクチン接種方法

風疹とは?

先天性風疹症候群

風疹は、患者さんの飛沫(ひまつ)を通じて感染するウイルスで、発熱・リンパ節の腫れ・発疹(ほっしん)が出る病気です。子供がかかった場合は症状が軽く通常3日程度でよくなりますが、大人がかかった場合、子供よりも発熱や発疹の期間が長く、関節痛が強く出ると言われています。最近では、大人の方がかかることが多い病気です。問題となるのが、妊娠初期の女性が風疹にかかると、赤ちゃんに感染して、生後に心臓病・難聴・白内障などの障害を持つことが言われています(先天性風疹症候群)。

風疹ワクチンは、現在1歳児・小学校入学前1年間の幼児に対して定期接種を行っていますが、過去には予防接種の制度が十分でなかった時代があり、特に30歳から50歳代の男性はワクチン接種率が低いと言われています。女性が妊婦の場合、パートナーである男性が風疹にかかってしまうと、女性へ感染し先天性風疹症候群を生じる可能性があります。そのため中年男性もワクチン接種による風疹予防対策が重要となります。このような背景から、2019年より風疹予防の対策として、昭和37(1962)年4月2日~昭和54(1979)年4月1日生まれの男性を対象に、風しん抗体検査とワクチン接種が無料で行えるようになりました。

風疹ワクチンの効果は?

風疹ワクチンの接種により約95%の方が風疹に対して免疫がつくと言われています。

参考となるホームページ

名古屋市のホームページ:風しん(第5期)の抗体検査及び予防接種 https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000087308.html
に詳細が載っていますので、ご参考にください。

子宮頸がんワクチン

当院では子宮頸がんワクチンの予防接種を行っています。一定の基準を満たせば、公費(無料)で行うことができます。当院では、最も有効性の高いシルガード9の接種を行うことができます。

子宮頸がんワクチン

子宮頸がんワクチンの種類と効果

子宮頸がんワクチンの種類

子宮頸がんワクチンは、HPV(ヒトパピローマウイルス)に対するワクチンです。ウイルスであるHPVは性行為によって主に感染し、子宮頸がんの発生率を上昇させます。また 尖圭コンジローマなどの感染症も引き起こします。子宮頸がんワクチンの接種により、その多くが予防できます。 子宮頸がんワクチンには3種類あり、それぞれ効果や接種方法が異なります。HPVの種類は、数多く存在し、それぞれによって引きこす病気も異なります。シルガードでは、カバーするHPVの種類が最も多く、子宮頸がん(HPV16, 18, 31, 33, 45, 52, 58型)、尖圭コンジローマ(HPV6, 11型)を予防する効果があります。また予防効果も90%程度と最も有効性が高いと報告されています。そのため当院ではシルガード9の予防接種を行っています。

シルガード9の接種スケジュール

初回接種が15歳未満か、15歳以上かによって接種スケジュールが異なります。

初回接種が15歳未満の場合

2回接種:初回から5か月以上(標準的には6か月)あけて2回目。
3回接種:初回から1か月以上5か月未満(標準的には2か月)あけて2回目。2回目から3か月以上(標準的には4か月)あけて3回目。

初回接種が15歳以上の場合

3回接種:初回から1か月以上(標準的には2か月)あけて2回目。2回目から3か月以上(標準的には4か月)あけて3回目。

シルガード9の接種費用

上述の定期接種・キャッチアップ定期接種対象者は、無料です。

副作用は大丈夫か?

子宮頸がんワクチンの接種後に脱力・麻痺・異常な動きなどの症状が出る患者様が見られ、一時期メディアなどで取り上げられて注目を浴びました。これらは、解離性神経症状的反応と言われる明らかな神経学的根拠のない非てんかん発作を含む症状と考えられています。簡単に言うとワクチン接種に伴うストレス反応の一種と考えられています。近年では、世界保健機構が予防接種ストレス関連反応(Immunization Stress-Related Response: ISRR)という概念を発表しており、ワクチン接種後に見られた症状もこの反応の一種と考えられています。
ワクチン接種は、得られるメリットと副作用などのデメリットを天秤にかけて接種を行うかどうか検討する必要があります。子宮頸がんワクチンでは、子宮頸がんリスクをあげるHPV感染を大きく減らせることから、得られるメリットが大きいと考えられています。また副作用も発熱や接種部位の痛みなど軽いものが多く、デメリットが少ないとも考えられます。このような背景から、日本産婦人科学会では、科学的見地から、子宮頸がんワクチンの接種を強く推奨しています。

B型肝炎ウイルスワクチン

当院ではB型肝炎のワクチン接種を行っています。また名古屋市では、B型肝炎ウイルスの血液検査を無料で受けることができます(C型肝炎ウイルス血液検査も無料)。

B型肝炎ワクチン接種は1回4800円(税込)で、計3回接種する必要があり合計14400円(税込)になります。

B型肝炎ウイルスってなに?

B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染し、肝炎を引き起こします。感染経路は、出生時に母子感染する場合(垂直感染)や出血を伴う医療行為や入れ墨などの処置で感染する場合(水平感染)があります。
B型肝炎には発症が急速で症状も激烈な「急性肝炎」と、数年から数十年かけて肝臓に炎症を起こし肝硬変や肝臓がんに至る「慢性肝炎」の2種類があります。

B型肝炎の種類と特徴

B型肝炎ワクチンの接種回数・スケジュールは?

大人の場合は「初回・1か月後・6か月後」の3回接種が基本です。
子供の場合は、「出生後2ヶ月、3ヶ月、7-8ヶ月目」の3回接種が基本です。

B型肝炎ウイルスの効果は?

乳幼児期にワクチンを接種するとほぼ全ての赤ちゃんがB型肝炎ウイルスに免疫を獲得すると言われています。効果は20年以上続くと言われています。
大人になると徐々に効果(抗体)が下がっていき、感染しやすい状態になる方がいます。そのため、血液検査で抗体価を測定し、低下していればワクチンの接種が必要です。大人になってワクチンを接種した場合、年齢とともにその効果が減弱していきます。例えば40歳を過ぎてからのワクチン接種により免疫を獲得できるのは約80%程度と言われています。

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